身代わり王女に花嫁教育、始めます!
思い起こせば、これほど気持ちが高揚したのは何年ぶりだろう。
王が変わるごとに砂漠の部族間で小競り合いが勃発し、その都度、王位を狙うものが現れることは当然のように思われていた。
とはいえ、クアルンは常に大国として存在し、他国の侵略に国の王位が奪われたことは一度もない。それは皮肉なことに不毛地帯があるおかげだ。
バスィールをはじめとして隣国にも神殿があり、巫女や神官も存在する。
だがこのクアルンほど、強い力を持つ水使いが現れたことはない。そのことが、彼らには不毛地帯を抜けることができない最大の理由。
中には、水源の重要さもわからずに踏み込んだ侵略者もいた。
だがそういった異教徒たちは、ことごとく砂漠で命を落としていったという。国の中央に位置する山岳地帯までたどり着き、王都を襲い、王宮を荒らした者は皆無だ。
戦いのほとんどが砂漠で起こる。
それは過酷だ。しかし、カリムにとっては血湧き肉躍る瞬間でもあった。
(戦いと同様……いや、それ以上に興奮している。シーリーンか……その名のとおり甘い香りのする娘だ)
王が変わるごとに砂漠の部族間で小競り合いが勃発し、その都度、王位を狙うものが現れることは当然のように思われていた。
とはいえ、クアルンは常に大国として存在し、他国の侵略に国の王位が奪われたことは一度もない。それは皮肉なことに不毛地帯があるおかげだ。
バスィールをはじめとして隣国にも神殿があり、巫女や神官も存在する。
だがこのクアルンほど、強い力を持つ水使いが現れたことはない。そのことが、彼らには不毛地帯を抜けることができない最大の理由。
中には、水源の重要さもわからずに踏み込んだ侵略者もいた。
だがそういった異教徒たちは、ことごとく砂漠で命を落としていったという。国の中央に位置する山岳地帯までたどり着き、王都を襲い、王宮を荒らした者は皆無だ。
戦いのほとんどが砂漠で起こる。
それは過酷だ。しかし、カリムにとっては血湧き肉躍る瞬間でもあった。
(戦いと同様……いや、それ以上に興奮している。シーリーンか……その名のとおり甘い香りのする娘だ)