身代わり王女に花嫁教育、始めます!
リーンはカリムの顔を見るなり涙を溢れさせた。
「カリムさま……わたしはあなたに」
「明日にも砂漠の宮殿に向かうと聞いた。私の役目はもう終わったのだ。あとはカリム・アリーがあなたを送り届けるだろう」
リーンの言葉をわざとらしく遮る。すると、彼女はきつく唇を噛んだ。
「それは、もう二度とわたくしとは会わないということですか?」
「そうだ。側近として会うことは二度とない」
カリムはリーンから視線をはずし、冷たく拒絶する。
「もう……花嫁教育も終わりということですね」
それはどこか悟り澄ました声だった。
いぶかしく思ったものの、カリムは振り返りたい気持ちを抑えてリーンに告げる。
「あなたは王の花嫁として、なんら問題のない方だ。王もあなたとの結婚を望んでおられる。ありがたく思い、砂漠の宮殿に向かうがいい」
十数えてもリーンからの返事はなかった。
「カリムさま……わたしはあなたに」
「明日にも砂漠の宮殿に向かうと聞いた。私の役目はもう終わったのだ。あとはカリム・アリーがあなたを送り届けるだろう」
リーンの言葉をわざとらしく遮る。すると、彼女はきつく唇を噛んだ。
「それは、もう二度とわたくしとは会わないということですか?」
「そうだ。側近として会うことは二度とない」
カリムはリーンから視線をはずし、冷たく拒絶する。
「もう……花嫁教育も終わりということですね」
それはどこか悟り澄ました声だった。
いぶかしく思ったものの、カリムは振り返りたい気持ちを抑えてリーンに告げる。
「あなたは王の花嫁として、なんら問題のない方だ。王もあなたとの結婚を望んでおられる。ありがたく思い、砂漠の宮殿に向かうがいい」
十数えてもリーンからの返事はなかった。