身代わり王女に花嫁教育、始めます!
アリーの言葉にリーンは息を飲んだ。
「魔物? あれが……。では涸れ谷が近くにあったのですか? でも、彼らは水使いを襲うのでは?」
リーンの問いにアリーは目を細め、質問で返した。
「あなたは巫女なのですか?」
「い、いえ、そんなこと。わたしに砂漠の精霊の声は聞こえませんし」
「……なるほど」
アリーはそう呟いたきりしばらく黙り込んだ。
巫女はなんの法則もなく、突然生まれる。
しかしそれは砂漠の部族に限定されていた。レイラー王女の母親はバスィール東部に住む豪族の娘。大公家において巫女が誕生したことは一度もない。
サクルの話を信じるなら、リーンの母は水使いの巫女であったと思う。
だが、水使いの力が遺伝するのは男子のみ。彼女らが男子を産むことはめったになく、誕生しても早世する確立が高い。
だからこそ、水使いの神官は貴重なのだ。
神殿に住み、本名やその力を隠しながら生きなければならないほど。
「魔物? あれが……。では涸れ谷が近くにあったのですか? でも、彼らは水使いを襲うのでは?」
リーンの問いにアリーは目を細め、質問で返した。
「あなたは巫女なのですか?」
「い、いえ、そんなこと。わたしに砂漠の精霊の声は聞こえませんし」
「……なるほど」
アリーはそう呟いたきりしばらく黙り込んだ。
巫女はなんの法則もなく、突然生まれる。
しかしそれは砂漠の部族に限定されていた。レイラー王女の母親はバスィール東部に住む豪族の娘。大公家において巫女が誕生したことは一度もない。
サクルの話を信じるなら、リーンの母は水使いの巫女であったと思う。
だが、水使いの力が遺伝するのは男子のみ。彼女らが男子を産むことはめったになく、誕生しても早世する確立が高い。
だからこそ、水使いの神官は貴重なのだ。
神殿に住み、本名やその力を隠しながら生きなければならないほど。