身代わり王女に花嫁教育、始めます!
アリーの言葉にリーンは胸が痛んだ。


(それは……わたしが王女の名を騙ったから? わたしの“嘘”が悪魔を呼び寄せたの?)


もしそうであるなら、なんということをしてしまったのだろう。

多くの兵士や侍女たちが死んでしまった。その責任は王女の代わりを簡単に引き受けてしまったリーンにある。


「アリーどの。わたしのせいなのですね……そのドゥルジという悪魔が出てきてしまったのは」

「そうではありません。……ここでは申し上げられないが、多くの人間の“偽り”が重なり、ドゥルジの目を引いたのは事実。だが、悪魔の甘言に乗り、魂を渡してまで王に報復しようとしたのはこの者たちです。その責任はあなたにはない」

「でも、アリーどの」

「王女様っ!」


クライシュ族の男がひとり、リーンに斬りかかった。

どうやら、リーンの命を狙ってのことではなく、アリーと引き離したい様子だ。

それがわかっているのか、アリーはリーンの手をつかみ、抱きかかえるように背後に飛びずさる。


「きゃああっ!」


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