身代わり王女に花嫁教育、始めます!
「きゃあああーっ!」
今度こそ本当にリーンは目を開けた。
岩の天井ではなく黒いテントの屋根が見え、間違いなく自分はまだ生きているのだ、と確信する。
どうやら洞窟の外に連れ出されたらしい。天幕のすき間からオレンジ色の陽が差し込む。気温からいってどうにか太陽が出ている時間帯。だが、夜もそう遠いことではない。
リーンがゆっくりと体を起こすと、
「お目覚めかな? シーリーン王女」
ハッとして声の方向に視線を向ける。そこにいたのはカッハールだった。
外に出ると異様に赤い目がぎらついている。だが、どうも先ほどに比べると印象が違って見えた。
「わ、わたしを、シーリーン王女と呼ぶのはやめてください」
「王女を自称したのはお前ではないか?」
「わかっております! 罪はちゃんと償います。でも、それはあなたに対してではないわ! わたしは、クアルン王に対して嘘をつきました。わたしを裁くのは悪魔でもあなたでもなく……国王陛下ただひとりです!」
今度こそ本当にリーンは目を開けた。
岩の天井ではなく黒いテントの屋根が見え、間違いなく自分はまだ生きているのだ、と確信する。
どうやら洞窟の外に連れ出されたらしい。天幕のすき間からオレンジ色の陽が差し込む。気温からいってどうにか太陽が出ている時間帯。だが、夜もそう遠いことではない。
リーンがゆっくりと体を起こすと、
「お目覚めかな? シーリーン王女」
ハッとして声の方向に視線を向ける。そこにいたのはカッハールだった。
外に出ると異様に赤い目がぎらついている。だが、どうも先ほどに比べると印象が違って見えた。
「わ、わたしを、シーリーン王女と呼ぶのはやめてください」
「王女を自称したのはお前ではないか?」
「わかっております! 罪はちゃんと償います。でも、それはあなたに対してではないわ! わたしは、クアルン王に対して嘘をつきました。わたしを裁くのは悪魔でもあなたでもなく……国王陛下ただひとりです!」