身代わり王女に花嫁教育、始めます!
リーンはアリーに歩み寄り、
「あの……アリーどの、本当にありがとうございました。わたしが侍女に騙されたせいで、お怪我をさせてしまって」
「お気になさらず。侍女に騙されたことは愚行ではなく、美徳と拝見いたしました。王の花嫁にふさわしいかどうかはともかく。シーリーン王女様は非常に美しい心の持ち主であらせられる」
「えっと……それは、ありがとうございます、と答えていいのでしょうか?」
「ご随意に」
リーンは戸惑った表情でサクルを振り返った。
それは嫌味に聞こえなくもない。
だが、聞きようによっては、『王の花嫁にはふさわしくないが、自分の花嫁なら』と取れるような気もする。
アリーは王から花嫁を奪うような真似はすまいが、サクルは面白くなかった。
サクルはアリーの近くから強引にリーンを引き離す。
「お前は私と共に行くのだ。もう、他の者には任せられん!」
一気に抱き上げ、そう宣言するサクルだった。
「あの……アリーどの、本当にありがとうございました。わたしが侍女に騙されたせいで、お怪我をさせてしまって」
「お気になさらず。侍女に騙されたことは愚行ではなく、美徳と拝見いたしました。王の花嫁にふさわしいかどうかはともかく。シーリーン王女様は非常に美しい心の持ち主であらせられる」
「えっと……それは、ありがとうございます、と答えていいのでしょうか?」
「ご随意に」
リーンは戸惑った表情でサクルを振り返った。
それは嫌味に聞こえなくもない。
だが、聞きようによっては、『王の花嫁にはふさわしくないが、自分の花嫁なら』と取れるような気もする。
アリーは王から花嫁を奪うような真似はすまいが、サクルは面白くなかった。
サクルはアリーの近くから強引にリーンを引き離す。
「お前は私と共に行くのだ。もう、他の者には任せられん!」
一気に抱き上げ、そう宣言するサクルだった。