身代わり王女に花嫁教育、始めます!
なんという美しい男性だろう。

狂王の評判から、恐ろしい風貌を想像していたのに。リーンは身代わりのことも忘れ、王に見惚れていた。


「私の顔が珍しいか?」


少し挑むようなまなざしで彼は問いかける。


「はい……あ、いえ。わたし……わたくしは」

「レイラー殿。落ちつかれよ。私はカリムと申す者。国王陛下の側近を務めている」

「側近……の方でございますか?」

「そうだ」


光輝く髪は襟足が長く、艶めく首筋を伝い鎖骨をくすぐるように揺れている。


リーンは彼が王でないことに少しがっかりした。


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