身代わり王女に花嫁教育、始めます!
(5)悦楽の呪文
それは上質の絹糸に金糸を混ぜて織られたものだった。
リーンの身分では、おそらく一生着るはずのない立派な衣装。それらをすべて脱がされ……正確には自ら脱ぐように言われ、リーンは立っていた。
裸体を晒すだけでも充分に恥ずかしい。
重い病にかかったことのないリーンは、医師や薬師に身体を診せたこともなかった。
クアルンほどではないが、宗教的にはバスィールも変わりない。夫以外に肌を見せ、ましてや秘められた部分に触られるなど、ありえない事態だ。
しかし、婚前に純潔を確認する儀式があると言われたら、リーンに逆らう術はない。
王女の純潔は王に捧げる。ならば、この側近に奪われる可能性などあるはずがない。
(儀式が終わるまで……それまでの我慢よ……それまでの)
リーンは懸命に自分を励ますが、カリムの指先は彼女を翻弄し、“それ”だけでは済ましてくれそうになかった。
「できません……そ、そんな脚を、なんて」
リーンの身分では、おそらく一生着るはずのない立派な衣装。それらをすべて脱がされ……正確には自ら脱ぐように言われ、リーンは立っていた。
裸体を晒すだけでも充分に恥ずかしい。
重い病にかかったことのないリーンは、医師や薬師に身体を診せたこともなかった。
クアルンほどではないが、宗教的にはバスィールも変わりない。夫以外に肌を見せ、ましてや秘められた部分に触られるなど、ありえない事態だ。
しかし、婚前に純潔を確認する儀式があると言われたら、リーンに逆らう術はない。
王女の純潔は王に捧げる。ならば、この側近に奪われる可能性などあるはずがない。
(儀式が終わるまで……それまでの我慢よ……それまでの)
リーンは懸命に自分を励ますが、カリムの指先は彼女を翻弄し、“それ”だけでは済ましてくれそうになかった。
「できません……そ、そんな脚を、なんて」