身代わり王女に花嫁教育、始めます!
すでに、すべてを見られてしまったとはいえ、リーンは必死で胸元を隠そうとする。


そんなリーンを嘲笑うかのように、カリムは黒髪をよけ、肩口に口づけた。


「では、今夜はこれで引き上げるとしよう。よい夢をご覧ください、レイラー王女」


激しく悶えたリーンとは違い、カリムは息すら乱していない。


(彼にとっては、本当にただの儀式にすぎないのね)


リーンはどうしてか、そのことが悲しくてならない。

金色の瞳はすでにリーンの影すら映さず、カリムは部屋から出て行った。


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