身代わり王女に花嫁教育、始めます!
「シャーヒーン!」


野営地から離れた直後、天空に白い影が舞う。



人であり鷹であるシャーヒーンは王により救われた。

呪いをかけられた人間、または、地獄(ジャハンナム)の天使(サバーニーヤ)が人間の女に産ませた半獣人――そんな謳い文句で奴隷市に売られていたのがシャーヒーンだった。

首に縄をかけられ、見世物にもできるし、夜は女の役割も果たす。

身分を隠して顔を出した市で出会い、彼女の純白が醸し出す気高さに惹かれ、手に入れた。


シャーヒーンは若い男に買われたことで、どのような扱いを受けるか覚悟を決めていたようだ。

だが彼は、シャーヒーンを性奴隷のような扱いはせず、首の縄を外し空に放った。


『その白き翼は天空にあって映えるもの。鎖に繋ぎ従わせても、真の力は引き出せん。逃げたければ逃げるがよい。お前が私に仕えるならそれもよし。歯向かうなら――この手で地獄に送り込んでやろう』


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