身代わり王女に花嫁教育、始めます!
(思えば……レイラーさまには子供のころから無茶ばっかり言われてきた気がする) 


今回もそうだ。

王女がリーンを指名した理由。ひょっとしたら逃げたのは思いつきではなく、計画だったのかもしれない。

だから、リーンを付き添いの侍女に指名した。

そうだとしたら……王女は簡単に見つからないかも。


王女が見つからなければ、大公はどうするだろう。バスィール大公に王子は三人いるが、王女はレイラーただひとり。

なるべく近い血縁の未婚女性となると、大公に未婚の姪はいないので、近親に十歳の少女が……。


(わたし、絶対に生きて帰れないと思う)


目の前がくらくらしてきた。

そんなリーンの胸に浮かんだのは……カリムはどんな人なのだろう? その思いだった。


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