身代わり王女に花嫁教育、始めます!
「わた、わたくしに花嫁教育をされるとは、どういうことでしょうか?」


シャーヒーンに案内され、リーンは昨日と同じ部屋に来ていた。

目の前には同じようにカリムが座っている。リーンも彼と相対するように絨毯の上に座っていた。


リーンはカリムと視線が合う度、昨夜の痴態を思い浮かべ赤面して顔を逸らせた。

だが、カリムは全くの無表情で王命を口にし、リーンが砂漠の宮殿に呼ばれるまでの間“花嫁教育”を施すと宣言したのである。


「私の報告を聞き、王が決められたことだ」

「それは……いったいどのような報告をされたのでしょう? きちんと花嫁の資格はある、と報告していただけたのでしょうか?」

「花嫁の資格?」


カリムの頬が少し歪んだ。

その表情を見て、リーンは背筋がゾクッとする。


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