身代わり王女に花嫁教育、始めます!
リーンはマントこそ脱いだものの、昼用の衣装を身に着けたままだ。汗が全身に吹き出してくる。

だが、いつ誰が入ってくるかもしれない場所で、これ以上薄着にはなれなかった。


少しザラザラした布を渡され、それでカリムの肌を洗う。


「レイラー王女、身体を離してはダメだ。もっと心をこめて奉仕してもらわなくては」


カリムは素肌も美しく逞しい。リーンは吸い寄せられそうになるのを懸命に堪えていた。


「汗を掻いておりますので」

「ならば脱げばよい」

「そんなこと。もし、どなたかが入って来られたら」

「外には兵を立たせてある。呼ばぬ限り誰も入っては来ない。安心して脱がれるがよかろう」


カリムは肩越しに金色の瞳を向けた。

その瞬間、リーンの中に昨夜の経験が浮かび上がる


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