身代わり王女に花嫁教育、始めます!
「ああっ、いや、お願いです。やめてくださいっ!」

「おかしなことを。私の手はここにある。あなたに何をしていると言うのだ?」


カリムの言うとおり、彼の手はリーンの手首を掴んでいるだけだった。もう片方の手はリーンの前に突き出し、何もしていない、と振って見せる。


「それは……それは……はぁうっ!」


何かがリーンの衣の内側をゆっくりと撫ではじめた。それは柔らかく、力強く、なめらかな動きでリーンの秘められた部分まで攻め立てる。


「あ、あ、あ……いや、あぁ」


ふいに強さが増し、塊となってリーンの内部に侵入しようとした。

彼女は恐ろしくなり「やめてくださいっ」そう言ってカリムから離れる。


「いい加減にするんだ。私は指一本触れてはいない」


カリムは口元に涼やかな笑みを作った。

だが、浴槽から出ようとしたリーンの下半身を湯が拘束する。下腹部にからみつく湯は、まるで人の腕のようだ。抱きつかれて、全身が重くて立ち上がることもできない。


< 90 / 246 >

この作品をシェア

pagetop