身代わり王女に花嫁教育、始めます!
彼女はくちびるに触れる蜜の滴る果物を、パクリと口に含んだ。
甘い液体がじゅわっと流れ出し、口の中いっぱいに広がる。それはこれまで味わったどんなものより、やみつきになりそうな甘さであった。
「すごく……美味しい」
「そうであろう? “イナブ”という果物だ」
それはバスィールにもある果物の名前だった。
しかし、色も大きさも全然違う。バスィールのイナブは小粒でしっかり味わうには量が足りない。
しかも、お祝いの席でしか口にしたことがないので美味しい果物というより貴重なものという印象しかなかった。
「ああ、このイナブはクアルン王のために作られた特別な品だ。他の国では目にすることはないだろう」
リーンはその言葉に驚く。
甘い液体がじゅわっと流れ出し、口の中いっぱいに広がる。それはこれまで味わったどんなものより、やみつきになりそうな甘さであった。
「すごく……美味しい」
「そうであろう? “イナブ”という果物だ」
それはバスィールにもある果物の名前だった。
しかし、色も大きさも全然違う。バスィールのイナブは小粒でしっかり味わうには量が足りない。
しかも、お祝いの席でしか口にしたことがないので美味しい果物というより貴重なものという印象しかなかった。
「ああ、このイナブはクアルン王のために作られた特別な品だ。他の国では目にすることはないだろう」
リーンはその言葉に驚く。