柔らかな、それ。【密フェチ】
「何ですか?」
小さな声で彼女が問いかける。
「……高瀬さん、最近よく俺に接触してくるよな?」
相手が動揺に表情を強ばらせる。
「そして決まって眼鏡を気にしてくる」
俺は1歩1歩距離を詰める。
彼女が後ずさりしてドアに行き当たると、顔の横に手をついて彼女の行き場を無くした。
「か、神田さん……?」
怯えた様な目が俺を見上げる。
「そんなに、この眼鏡を外したいのか?」
少し脅せばもうあんな真似はしないだろう―――そう思っていた。