好きでも。



「...おじゃましまーす。」

私は、聞こえるか聞こえないかの声でそう言って、遊ちゃんの部屋に上がる

部屋の戸を開けると、テレビの光とベッドの上で携帯をいじっている昇くんがいた

昇くんは、私に気付くと目を見開いてビクッとした

そして、私だと認識したのか、ホッとした様子で

「なんだ、なーちゃんか」

そう言って、状態を起こし、ベッドに座る

「遊が帰ってくるまで、電気つけれないんだ。なんかしたの?」

「遊ちゃん、昇くんに何も与えてないって言ってたから、ご飯作ってきたんだけど。」

私は手にしていたものを渡す

受け取った昇くんは、目を輝かせる。

「俺、肉じゃが久々~」

そう言って、食べ始める昇くんを見て

よく、家によって味が違うというから、少し緊張した

でもそれはすぐに、

「うま~!これ、なーちゃんの手作り!?」

この言葉で一気に安心する

私がそうだよ。と頷くと、昇くんはもの凄い勢いで完食

「ありがと。ほんと、うまかった」

その言葉に、なぜか感動して、また作ってやるかという気持ちになった



もしかしたら、このときもう恋は始まっていたのかもしれない







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