好きでも。



私は、ほぼ毎日といって良いほど遊ちゃんの部屋に通った

一人でいるのは寂しいし、何より遊ちゃんと昇くんのキャラ半端なく面白い

笑いが絶えないとは、このことだと思う


ピーンポーン

遊ちゃんの部屋のインターフォンが鳴った

昇くんは、見つからないように端へと逃げる

遊ちゃんは、一応部屋の扉を閉め、玄関を開けた

「暇だから、遊び来た~」

同じ同期の子達だった

部屋の中にいる私と昇くんは、顔を見合わせる

遊ちゃんどうするんだろ...

「あー、ダメダメ。違う部屋行こ」

断る遊ちゃんの声

そこに聞こえてきた言葉

「えー、いいじゃん。それに、なーちゃんいるでしょ~。なーちゃんだけズルい!」

「いいから、いいから、違う部屋。ほら、行くよ」

無理矢理、自分の部屋から出そうとする

でも、追いつめるようにその子は

「昇くんいるのは知ってるんだからいいじゃん。隠しても無駄だぞ~」

そりゃ、毎日あんなうるさくしてりゃ周りに声が聞こえないわけがない

手こずる遊ちゃん

私は溜め息を吐き、遊ちゃんの部屋の扉を開ける

「あー、なーちゃん久々~」

私に手を振るその子に私は微笑みかけ

「さっ、みんなで私ん部屋行こ」

どうせ、人ん部屋ならどこでもいいのだろうと思った私は、その子にそう言った

「うん!行く行く」

やっぱりね

私はチラッと昇くんを見た

昇くんはバイバーイと小さな声で言うと、ベッドのいつもの位置に座り直した

私も小さく別れを告げ、遊ちゃんの部屋を出た



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