Loose-leaf*放課後の甘いキス
「おくれてすみませんでしたーっ!」
ガララと教室のドアを開ける音とともに入ってきたのは、夏川くん。
「なっ・・夏川か、早く席に・・・。」
「なんでこんなにうるさいんだよ~ 他のクラスなんてもうホームルームとっくに始まってるぜ~?」
「ほら、なっ?席ついたついた~。」
重そうなブルーの部活バックをかかえながら、席についた。
トクンッ・・
また、静かに鼓動がなる。
朝練から帰ってきたのか、汗で濡れている髪をごしごしとタオルで拭いている。
こんな少しなことだけれど、夏川くんの声が聞けるときは幸せ。
話せなくたって
近くにいることだけで、幸せなんだ。
しんっと静まり返っていた教室が、また活気につつまれる。
「しゃあねーな。日向のいうことなら~。」
「座ってやるかぁ~。」
ぞろぞろと動きだし、ほっとした表情をみせる先生。