Loose-leaf*放課後の甘いキス
「何ぼけっと突っ立ってんだよ。はやく歩けよ」
「はっはい!」
おいてくぞ
慌てて小走りで一ノ瀬くんの後ろについていく。
教室につくと、時計はもう3時をさしていた。
運動部の走っている音が外から聞こえてくる。
「ここ置いとくから。」
「すっすみません…。」
重いプリントを机の上にどさっと置くと、コキッコキッと指を二三回鳴らした。
そんな行動にも、いちいちビクンッと身震いしてしまう私
「んで?これどーっすわけ?」
今にも崩れそうな山をさしながら、私の方を見る。
「えっ、えーっと…ホッチキスでとめろって言われたん…ですけど…。」
「ホッチキスってどこにあんの?」
「えっ…っと…その…。」
教室にあるとは聞いたのだけど、どこにあるかは…――――
「ふーん。分からないってことか。」
「ごっごめんな…っっ!!」
ふいに私の方へ倒れこんできたかと思うと
強く大きな手で口をふさがれ、またこう耳元で囁いた。
「そのセリフ、さっきも聞いた。」