Loose-leaf*放課後の甘いキス
「なーにしゃがみこんでんだよ。」
「!」
キス、してほしかったとか?
そんなわけ、ないよ
勘違いなんて、してほしくない
そんな気持ちなんて知る由もない一ノ瀬くんは
私の前に立ちはだかり、顔を覗き込んできた。
すでにもう、手にはホッチキスが握ってある。
「いっいちの…」
「さっさと終らせっぞ。」
「は・・い」
ガタンッと音を立てて椅子を引いた。
黄色の使い古したようなホッチキスを軽く投げられるけど、上手くキャッチできずに落としてしまった。
ゴトッ
鈍い音をたて、教室の床の上で軽く弾むホッチキス。
慌てて拾い上げ、一ノ瀬くんの方を向いた。