Loose-leaf*放課後の甘いキス
「夏休みが終ったからいつまでも「きりぃーつ、れーい。」
ダラダラとした号令で、先生の話しも強制打ち切り。
いつものことだから、誰も気にしない。
ざわつく教室。
今日配られたプリントと筆箱を鞄の中にしまう。
「日向~。かえろーぜぇ。」
「日向っ、カラオケみんなで寄ってかな~い?」
「だぁーめっ!日向は俺らとサッカーすんの~。」
「はぁ~?意味分かんないしー!」
人気者の夏川くん。
日陰者の私。
付き合いたい、とか
告白、とか。
そういうのじゃ、ないんだけどな。
‘好き‘なんて、言えるはずがないもん。
男の子と話すだけで上がってしまう私は、夏川くんの前に立つだけで、固まってしまう。
だから
だから…――――――
ずっと、ずっと遠くから見つめていられるだけでいいって、思ってたんだ――――