Loose-leaf*放課後の甘いキス






「は、はい…」



普段、人から話しかけられることなんて指で数えるほどで

休み時間も、大体一人でいることが多い



「出し物発表のときにね、隣に可愛い子がいるなぁって思ってたんだ~」



あっ、私 如月瞳ね!




そうつけたすと、またふわりと微笑んだ。

如月…瞳さん…?

名前からもなんとなく優しい雰囲気がかもし出されているような気がする。


「如月さん、よっよろしくおねがいしま…す」



ペコっと軽くお辞儀をすると、面白おかしそうにクスクスと口に手をあてながら笑った。




「瞳でいいよ」





如月さんが笑うたびに柔らかく甘い風が吹く



「あっ…はい」




同級生の女の子と普通におしゃべりするなんて、いつぶりだろう



‘高校生になったら、友達を作る!‘

と、鏡の前で宣言したにもかかわらず



あっさり過ぎ去ってしまった2年間。

瞳ちゃんの綺麗な笑顔に見とれていると

手を口に添えながら、こう言いかけた





「夢愛ちゃん、あのね―――







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