Loose-leaf*放課後の甘いキス



ぱっと顔を向けると頬杖をつきながら視線を紙に落とす、一ノ瀬くん。



「べっ…べつに…!」

「んなわけねぇだろ。早く教えろ」




ふいに一ノ瀬くんの黒い大きな瞳に、吸い込まれそうになる




…だって、だって!

今、一ノ瀬くんなんかと喋ったりしたら……

みんなからの視線が……




ふりむかなくったって、刺すような視線があることくらい私にさえ分かる。




「………差し入れ係、です」





なるべく目立たないような声で、ぼそっと呟いた。




「…なにそれ」






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