Loose-leaf*放課後の甘いキス




「え?」




顔をあげたときにはもう遅く

私のプリントは、一ノ瀬くんの手の中だった




「……ちょ、ちょっとっ……!」





慌ててプリントに手をのばす



そんなのお構いなしかのように、ふっと鼻で軽く笑い

太いマッキーで大きく書き殴ると

スタスタと長い足で司会者の方へ歩いて行ってしまった。




……なんて、書きなおしたの―――?




さーっと血の気が引く

夏なのにもかかわらず、ぶるっと身震いする私の体




瞳ちゃんは……っ?




瞳ちゃんの席を見て見るけれど、そこにはもう誰も座っていなく

からっぽの空席だった



ど…どうしよう……








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