Loose-leaf*放課後の甘いキス
次の日、私のクラスに瞳ちゃんがやってきた
「ゆーあちゃん!」
長い柔らかそうな髪をなびかせると
まるで、そこに優しい風が吹いたよう
私はパタパタと足を急がせ、廊下へ出た。
「あのね、実行委員の係りが貼りだされてるんだけど。一緒に行かない?」
首をかしげながら、じっと私を見つめる。
「いっ…行きたい、です」
優しく包み込むように腕をつかみ、「じゃあ、行こう」というとさっと歩き出した。
道行く人がみんな振り返る
瞳ちゃんは、人とは違うオーラを纏っているから
みんなを自然と引きつける、甘くて優しい蜜のような―――――
「あっ あった、あったよ!」
指差す先には、掲示板に貼られた大きな紙
「差し入れ係になれるといいねー!」
――ズキンッ
満面の笑みでそういう瞳ちゃんを、直視することができない
あれから打ち明ける勇気なんてものが沸くわけなく
言い出せないまま別れてしまった。
「んー…どこかなー」
私より少し背が小さい瞳ちゃんは
ぴょんぴょんっと飛び跳ねて、掲示板を見た
「あっ!私差し入れ係だったよ~。夢愛ちゃんは?」
「……えっ」
まだ確認していない
怖くて、見れないよ
そっと顔をあげると
‘葉月 夢愛‘
そこ文字が目に焼きつく
視線を上にすーっとずらしていくと
そこにあったのは――――――