Loose-leaf*放課後の甘いキス







これ以上、こんなに近くで一ノ瀬くんを見ることが耐えられなくって

ぎゅっと目を瞑る




ほ、ほっぺがのびるよ~っ

ぷにぷにのほっぺがのびたら、ぷよんぷよんになっちゃうんだもの




「やめてほしい?」





突然の言葉に驚きつつも、私は反射的に首を上下にふるふるとふっていた




「じゃあ、何で無視したか教えろ」




ぽんっとほっぺから手を離し、右手で茶色い前髪をかきわけた



む、無視した理由って……

言えるわけないじゃない……!




ビクビク怯えながらちらっと見ると、ひじをついたまま苛立ったように一ノ瀬くんがまた口を開いた



「教えんだろ」


「……!」



ニヤッと笑って、わざと顔を近づける

や、やっぱり…

言い逃れなんて、彼には通用しないみたい



「だ、だって…」

「だって?」



「一ノ瀬くんが、あんなこと書くから――――」




そう、一ノ瀬くんにあの紙をとられていなければ、私はきっと瞳ちゃんと差し入れ係を一緒にできたのに…



「あぁ、係り決めのこと?」




告白したにもかかわらず、全く悪びれてない様子で

椅子にどかっと座り、足を組む



「わ、私…あんなのできないし…… 人前に出るだけで、あがっちゃうという…か」



きっと……固まっちゃうよ……っ

人に迷惑をかけるだけ、だと思う

だから…だから………







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