首輪で繋がれたお姫様
「ちゃんと話せ。色々助けてやるから」
「……へ?」
「女1人で遅い時間にこんな所ウロウロしたら危ないだろ」
気遣ってくれてはるんやろか…?
雅さん…、優しい…かも…。
「まず何で東京に来た?」
「2週間前、両親が事故で死んじゃって…。あたし1人になったんです」
「柳沢ひろは?」
「もう3年前から家出したっきりで…。あたし心配やったんですけど、パパとママは毎日喧嘩ばっかり。ひろ姉の事に対しても2人とも知らんぷり…」
「………」
「ひろ姉の連絡先も何一つ分からんくて音信不通の時に、友達がたまたま東京に旅行に行ったんです。その時に、ひろ姉を見つけたらしくて…」
「ん」
「東京で何してはるんやろ、って心配やったけど無事な事が本当に嬉しかったんです」
「ん」
「でも両親が死んで1人になったときに、家を売ることになったんで住む家無くなってしもて…」
「……」
「どうしようって考えている内に、気付いたら東京行きの新幹線に乗ってたんです」
「……最後ちょっと意味わかんねーけど、大体は分かった(笑)」
信じてくれるか不安やったけど、わりと真剣に聞いてくれている雅さん。