なみだのほし−Earth Tear Chlonicle−
◇
「…レネは…?」
か細い声に、ディニははっと振り向いた。
ずっと眠っていたユマが、薄く目を開いている。
「ちょっと出てます。僕が留守番を頼まれました。」
笑顔を作って答えたら、弱々しい笑顔が返ってきた。
「ごめんなさいね、ディニ…あなたにまでこんな…」
「いいんです。ていうかレネひとりじゃ心配過ぎるから。」
ユマは悲しげに窓の外を見やった。
裏の炭焼き小屋と、その炭にする枝を拾いに森へ歩いた道。その先に、暮れかけた暗い茜色の丘。
道は丘を越え、青い山脈へと消えていく。
「…あたしは…きっとあの子のために在ったんだわ…」
「…ユマ?」
「運命なんてないって…この国の神様はいうけれど…あたしは、あたしの運命は、レネのためにあった…」
目を閉じて、ユマは微笑んでいた。
不安に思ったディニが側に寄ると、ユマは静かに彼を見た。
−小さな妹の、心優しい幼なじみ。できることならこの少年と、生きてほしいと思うけれど。
「ディニ、聞いてくれる?」
あなたが、何より心配してくれるあの子のこと。
「…レネは…?」
か細い声に、ディニははっと振り向いた。
ずっと眠っていたユマが、薄く目を開いている。
「ちょっと出てます。僕が留守番を頼まれました。」
笑顔を作って答えたら、弱々しい笑顔が返ってきた。
「ごめんなさいね、ディニ…あなたにまでこんな…」
「いいんです。ていうかレネひとりじゃ心配過ぎるから。」
ユマは悲しげに窓の外を見やった。
裏の炭焼き小屋と、その炭にする枝を拾いに森へ歩いた道。その先に、暮れかけた暗い茜色の丘。
道は丘を越え、青い山脈へと消えていく。
「…あたしは…きっとあの子のために在ったんだわ…」
「…ユマ?」
「運命なんてないって…この国の神様はいうけれど…あたしは、あたしの運命は、レネのためにあった…」
目を閉じて、ユマは微笑んでいた。
不安に思ったディニが側に寄ると、ユマは静かに彼を見た。
−小さな妹の、心優しい幼なじみ。できることならこの少年と、生きてほしいと思うけれど。
「ディニ、聞いてくれる?」
あなたが、何より心配してくれるあの子のこと。