百鬼夜行と暴走族 壱
「桜李はしばらくの間、鍛え直すとかで翠の里に行ってるぜ」
『もっと強くならなくちゃいけねぇ』
そんな手紙が机の上に置いてあって居なくなっていたんだ。手紙を持って総大将に詰め寄ると翠の里へと向かった、と教えてくれた
桜李様…あたしに何も言わずに居なくなったからその程度の存在なのかなって少し不安だった。でも強くなるのには仕方ないって割り切って帰って来るのを待つことにした
「いろいろ思うところあったんじゃろうて」
総大将...
桜李様の意思を尊重して、緊迫しているなかでも許可を出した
『変わってないね。会いたかったけど...』
「なら、早く帰ってこいや」
総大将、なんだか嬉しそうだな。そりゃそうだよね。大切なひとが無事だって分かったんだから、これ以上に嬉しい報告は無い
『えぇ。そうね』
にっこりと笑った十六夜様