百鬼夜行と暴走族 壱


腕を組んで羽織を翻し帰っていく後ろ姿をみると鳥肌が立った



_ _......黒の羽織には白字で蜘蛛の巣とその真ん中に足を広げている蜘蛛の絵が大きく描かれていた





「...かっこいい」


優希、頭おかしいんじゃねえか...

 
あんなおっそろしい奴をかっこいいなんて…


「あいつが"蜘蛛手の獅蛇"」


くもで?



「なんだそりゃ?」


「そのままだ。蜘蛛の足のように四方八方に...つう意味だ。...獅蛇に狙われたら八方塞がりで逃げられない、という意味だ」



「そんなに強いのか?」

晴樹が問う


「強い。あまり戦いに参加しないがな。獅蛇は蜘蛛を情報部隊として扱っているから情報力に長けてる」



ってことはさっきのような蜘蛛がうじゃうじゃか


冗談じゃねえよ!



「だからピアスも羽織も蜘蛛の巣なんだ」


ああ、あのピアス蜘蛛の巣だったのか




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