百鬼夜行と暴走族 壱


「天堂は顔が広いからな。」




「ねぇ、なんで獅蛇は十六夜さんと友達になったの?"白夜叉"なんて畏れられてたのに」



「...友達になるのにそいつがどんなやつかってのがわからねえといけないのか?」


え?


「もし畏れられてたやつが外見とは裏腹に人一倍優しくて他人の表情や気持ちに敏感ならどうなんだ」




「ま、とんでもねえやつと関わったんならそれは自分でけじめをつけるしかないだろ。そのけじめを恐れてたら何もできねえ」



「いろんなやつと関わっていろんなことを知って初めてそいつ"個人"が見えてくるんだよ」



「あたしだって白夜叉としての十六夜しか知らなかったが興味がわいてな。関わったら白夜叉じゃなく、"十六夜"が見えてきた」



...すごい。俺達人間よりよく考えてるんだな。


やっぱり何百年も生きてきてるだけあるよ


「ま。まずは互いが腹を割って話すこった」



_.........こうして獅蛇の護衛が終わった


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