百鬼夜行と暴走族 壱


「だ、誰だっ」


肩甲骨よりもある黒い長髪
赤い着物の上に濃紺の着流し、白い帯
血走った狂気のような赤い目


妖怪、なのか



皆も突然現れた男に身構えている


「問いに答えよ、琉威はそなたか」


なんで俺...誰なんだよ






「そうだけど…」



「やはりな」


にやりと口端をあげる。


気味が悪い...表情だけじゃなくて醸し出す雰囲気、全てが…怖い



「誰だ」

動けない俺の前に立つように雷斗が一歩出た




「人間ごときがそのような口を叩くな」


人間ごとき...

やっぱり妖怪なんだ。でも突然現れて何の用だ?


俺が知ってるのは十六夜さんや翔炎たちだけなのに…



「12年間、そなたを探しに探したぞ。さすがあの連中たちが、隠してきただけあるものだ。これだけかかるとはな」



何を言ってるんだ?


俺を探してた?


あの連中っていうのはやっぱり翔炎たちのことだよな…








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