百鬼夜行と暴走族 壱
なのに
「おいおい、友達を助けてぇ気持ちは分かるがのぅ。ンなこと言うな。そりゃ、十六夜が悲しむ理由にしかならん」
「わからねえか、お前さんが言ったことを言い換えると、 『こんなことなるなら十六夜とかかわらなければ良かった、出逢わなかったらよかった』ってことになるんだぜ」
「そ、そんなつもりはっ」
ない、絶対ない!
小さいころの、ううん。今でも心の拠り所でもある十六夜さんを、あんなに優しい十六夜さんを...
「フッ、わかってらぁ」
俯く俺に分かったように声をかける
「ワシのかわいい十六夜を傷つけんなよ」
とにやりと笑った
かっこいい...
「そのような戯れ言はもうよい」
刹那の声が一層低くなった