百鬼夜行と暴走族 壱
血で濡れた白鞘を右手で持ち堂々と前を見据えている
「大丈夫か?」
天堂さんは顔だけ振り向いた。っていっても横顔しか見えない
「は、はい」
「何とか」
涼は疲れきっていているのと恐怖で目が半開き……
雷斗は天堂さんをじっと見つめている。その目は真剣だった
「こうなったのもワシの力不足じゃ。悪ぃな、もうちっと辛抱してくれよ…関係ねぇお前さんたちを巻き込んでしまって悪かった、その償いとして傷なんかつけさせねぇ」
_ _......じゃねえと十六夜にどやされらぁ
と、嬉しそうに笑った
十六夜さんが生きててもうすぐ帰って来ることが嬉しいんだろうな...
俺も優希が居るから分かる
それにこの二人は何百年というとんでもなく長い時間を一緒に過ごしてきたんだ