百鬼夜行と暴走族 壱



そのぶん互いを想い合う気持ちは強いだろう



「あ、ありがとうございます」


「礼なんかいらん。当然じゃ」


ニカッと歯を見せて笑い頷いた天堂さんは子供のようだった



「総大将、余裕ですな」



烏丸がバサバサ飛んできて天堂さんの隣に着地する



「ん?そう見えるか?」


「はい、楽しそうに笑っておりますから。心配なされていないのが分かります」


「そりゃそーじゃ、ワシが集めた百鬼だからな。その百鬼たちとこの地位を何百年も維持しとると思うとる。それを昨日今日集まって束になった奴らがかかって来たって負ける訳ねぇだろ…場数が違うんじゃよ」



さっきとは違って不敵な笑みを浮かべた天堂さん


…かっけぇ、男気が溢れてる



俺が知っているのはトップに立つやつはプライドとかを気にしてあまり頭を下げたり謝らない


力でおさえつけ、有無を言わさず支配する


そして耐えられなくなった下が反乱を起こし、上が崩れていく


雷斗はそういうプライドとかはないみたいだが頭はあまり下げない


さっきは下げたがな...




だがこの男はそんなものを気にせず自分の非を素直に認め、謝る


事実を認めるかっこよさと潔さを持ち合わせている


だから翔炎たちはついて行きたいと思うんだろうな




本気で慕われてるんだ




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