百鬼夜行と暴走族 壱
side翔炎




「何故っ、何故生きているのだっ」



十六夜様が生きていると分かった刹那は珍しく取り乱している。毛なんか逆立ってるし




「宵美みたいな子供に刺されて死ぬ訳がありません」


「何故だ、そなたを刺した刀は妖力をも奪うものであったはずだ」



なっ!そんなのは初耳だ


妖怪は血を流すだけでは死なない


妖力を奪われて初めて弱る。さすがの十六夜様も妖力を、大量に奪われたら無事ではいられないはずだ




「...確かに、あのときは妖力がどんどん抜けていって大変でした。立つことはおろか、意識がなくなるほどでしたから」



何とでもないように言うけど、意識なくなるって大事だろ!






「それから数日間休んで何とか戻ったの…前みたいに完璧ではないけど」


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