百鬼夜行と暴走族 壱



「おい前鬼、十史郎、洞窟内に行くぞ」


「あぁ、」


「キリがねぇ」



二人を引き連れて能面をつけた妖怪、彰州が洞窟内へと走る



刹那は総大将と十六夜様と対峙している




「...何故、何故私の愛を拒絶した」



刹那が恨みの籠った声を発する。その声色から恨みや怒りがどれだけのものかが分かる



「...あなたの気持ちを受け止めることは出来ても刹那自身を受け止めることは出来なかったの、ごめんなさい…」


「同じこと。天堂、そなたさえ居なければ十六夜は私のものになったのだ」


「刹那、お前をこんなにしちまったのは想いが報われなかったっていう気持ちが恨み辛みになったからじゃ」


「だから私はあなたを救います」


な、何を


あんな目にあわされたっていうのに、救うのか!?







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