百鬼夜行と暴走族 壱
「琉威のせいじゃない、私が勝手に決めたことだから…琉威から離れるってことは私も最初から分かってた、それに琉威の家庭のことも」
十六夜さんが少し切なそうに笑う
「私がもっと強かったら琉威から離れずに守ることができたの。琉威の状況が分かっておきながら琉威から離れることでしかあなたを守れなかった、私の弱さのせいなの...」
だから謝るのは私のほう、ごめんなさい
そう言って頭を下げた。どうして頭下げるの…十六夜さんが謝る理由はどこにもない
「や、やめて!」
涙を流しながら十六夜さんの着流しを掴んで俯いた
俺のせいなのに
俺が何もできない弱い人間だから...十六夜さんに苦しい決断させて、俺だけじゃなくて百鬼たちや天堂さんの傍から居なくなったのに…
「それを言われたら何も言い返せない。でもこれだけは言わせて...琉威の"せい"ではなく、琉威の"ため"……もっと言うと私のためなの」