百鬼夜行と暴走族 壱



「だからあんたが出て行ってせいせいしたのに」



その言葉を聞いて俺がしたことは意味なんかなくて、無駄だったんだ...



「何よ、っその目は……」



怒りとか、悔しいとかじゃなくて感じたのは、悲しみ...


「お母さんにとって俺はその程度なの?俺はお母さんのこと想ってるのに...」


「......っ、あっそ、一度出て行ったんなら帰ってくるんじゃないよ!」


その言葉を聞いたらいてもたってもいられなくて、息苦しくて、家を飛び出して走っていた




息切れをして酸素が足りない頭を使って必死に考えた



何でお母さんはあんなになったのかな


俺が何かしたの?


これじゃあ何にも変わってないじゃんかっ!


状況を変えたいから会いに行って話そうとしたのに...



やっぱり弱いな、俺...っ!








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