百鬼夜行と暴走族 壱



気がつけば日はすっかり落ちて暗闇、唯一ある光は街灯


人の目なんか気にせずに、どこに向かっているのか分からないまま走り続けた。そろそろ体力的に限界だ




角を曲がろうとした時


ドンッ



「わっ、」


誰かにぶつかった


泣いてるところを見られたくなくて頭だけ下げて走ろうとした。一人になって落ち着いたら絶対大声をあげて泣いてしまう、


絶対泣かない、泣かない、泣かない


そう決めた




なのに...



「琉威?」






「十六夜さん...」




どうしてこのひとの顔を見たら泣いてしまうんだろう





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