百鬼夜行と暴走族 壱
やっぱり雷斗にはお見通しってわけか。雷斗に言われて皆の視線がたまらなかったから口を開くしかなかった
「さすが、総長だね、お母さんに言われちゃったよ」
十六夜さんには言ったけどみんなにも言わないとわからないから
「――...ってね」
みんなもどう声をかけていいかわからないよね
そんななか口を開いたのはやっぱり
「すごいね」
十六夜さんだった
「何がすごいの?なにもできなかったし、変えられなかったのに」
「うん?そんなことないと思うよ...だって」
みんなも十六夜さんの次の言葉を待ってる。
十六夜さんはそんな中にっこり笑って俺の頭を撫でてくれた
「琉威は自分でできることはやったじゃない」
「え...」
「ふふ、お母さんと向き合おうとして居心地の悪い家に帰ったじゃない」
「...それだけだよ、結局何も変わってない」