百鬼夜行と暴走族 壱



「そう?でも私は、たったそれだけのことのように思えてもきっかけにでもなれたらいいと思ってる…一気に解決しようとは思わないの」


十六夜さんの諭すような言葉に…十六夜さんの目に惹き付けられる


「きっかけ?」



「うん、少なくとも琉威が行動したことによってお母さんの心境に何かしらの変化があったと思うんだけどな」



と悲しそうに笑う



「十六夜さん?なんで十六夜さんがそんなに――」


悲しそうな顔するの



「...同じ母親として考えることがあってね」

十六夜さん…母親として考えてくれてるんだね。寄り添おうとしてくれるのが分かる



「...」


「琉威は自分が出来ることをしたんだから、あとは私に任せて?」


「え、でもっ」


「いいから、ね」


と十六夜さんがウィンクした


街灯の光に照らされて顔がよく見えた


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