百鬼夜行と暴走族 壱
side雷斗




十六夜、やっぱりすげぇよ



「これからどうすんだ?」



「ん?これから行くよ」


「どこに?」


「琉威のお母さんに会いに」


本気か?


あの母親とは俺たちも何度か話したが無理だった


俺たちが大喧嘩したほどだ


「琉威の話を聞く限り、大丈夫だと思うの、ここは私に任せて......琉威をお願いしていい?」



「あぁ」


十六夜から琉威を託され背負って肩にかかっていた羽織を返す


「ありがとう」


俺に微笑んで羽織りを受け取って袖を通さずに肩にかけるだけ


…笑顔がやべぇ。所作が完璧で優雅っつうか、たおやか?っつうのかとにかく綺麗だ






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