百鬼夜行と暴走族 壱



「総大将、土産は~?」

「んなもんねえよ」

「なんでだよ!?」

「なんでもなにもワシは十六夜と獅蛇をそこまで見送っただけなんだからよ」


「え~、腹減ったのに。茶菓子欲しいですよぉ!!」


「朝食っただろうがよ、そんなに欲しいなら十六夜たちに頼め」


「もう居ませんよ~」

「なら知らねぇ」

「そんな殺生なぁ~」


小さい妖怪たちが天堂さんにしがみついたり着物を引っ張ってる


激しいやつは小さい体で必死に脛を蹴ってる


まぁ、天堂さんに逆に足蹴にされたけど


っていうか、総大将なのに…



「じゃぁここで待っててくれ」


と客間に通された



「ありがとうございました」


と皆で頭を下げると


「おぅ」


とまたあの笑顔で返事をくれた



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