百鬼夜行と暴走族 壱
番外編
淡雪を染める緋色の鮮血
冬、琉威は皆と十六夜と出会った寺に来ていた
「へぇ、ここが琉威と十六夜さんが出会った場所なんだ」
優希は広い寺を見渡しながら目を細め、晴樹たちも敷地を見渡しながら裏まで回ると一際大きな大樹があった
「うわーっ、でけー…」
冬のため葉や花は無く、ただの木だったが大樹に圧倒された晴樹たちは何も言えなくなった。
「…」
琉威は懐かしさと悲しさと嬉しさ…そういった感情がない交ぜになって何も言えなくなった
「こんなに太いなら、琉威と女神が出会う前からあるんだろうな」
涼が木に触りながら言うと琉威も近付いて来て木を懐かしむように撫でる
「うん、たぶん何百年も前からあるんだと思――あ、雪だ」
白い雪が落ちてきて、手に乗せるとすぐに溶けた