百鬼夜行と暴走族 壱



「、敵が十六夜様を拐ったか、自分で逃げたかは分からない……どう考えても矛盾してやがるんだ」




生きてたら帰ってくるはずだから、死んだかもしれないっていう考えが広まったの



「そんなっ!」



泣き始めた琉威



琉威が泣いてる姿を見てあたしまで泣きたくなる。十六夜様は誰にでも慕われる。そんな魅力を持った方だから余計に



「そして、俺たちは気づかれずに琉威をずっと守ってきた」


「え!?」



琉威が泣くのをやめて赤くなった目で驚いてる。それはそうだよね。でも、ほんとうにあなたを陰ながら見守ってきた。十六夜様と同じように、琉威はあたしたちにとっても大切な子だから。こんな顔見たくないよ…



「姿を消す前に言われてたんだよ、十六夜様から」


十六夜様という言葉に泣いていた琉威があたしを見た



一言一句もらさず思い出して伝える




『私に何かあったら琉威をお願い。琉威は、あの子は私の大切な子。あなたたちに任せます』








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