百鬼夜行と暴走族 壱
それを伝えると琉威は泣き崩れた。だけど必死に嗚咽に苦しみながらも言葉を紡ぐ
「そこまでっ、考え、......なんてっ」
「いい、それが十六夜様の遺志だからな。.......遺志は違うか」
「遺志、」
「十六夜様の遺志は琉威が人間としての生を全うすることだ」
翔炎が琉威の頭を撫でながら告げると琉威は余計に泣き崩れた
「十六夜さんっ...」
妖怪の世では、人間は弱いとされてる。だから人間の心配をするなんて、ほんの一握り
…琉威、ほんとに偉大な方に想われてるんだね
「十六夜様は絶対死んでねぇ」
泣き崩れる琉威を見ながらそんなことを考えてると唸るような声が聞こえた
今まで黙っていた十夜が腕を組んで、眉間に皺を寄せて机を睨んでた