百鬼夜行と暴走族 壱
side十史郎



皆で就寝したが厠に行くために起きて厠から大広間に、戻る途中。



ちりん、ちりん


この音は十六夜様の耳飾りの鈴


どこからと思い、庭を見渡すと



――総大将




形見、といっちゃあ縁起が悪ぃが大量の血と一緒に残っていた鈴


それを手で振りながら庭の桜の大樹の枝に座って、音を聞いていた



総大将、百鬼を背負ってるから弱さ、辛さを見せまいと頑張ってるんだな


総大将が迷えばついていっている奴も戸惑う。それを分かっているから



「...十六夜」


総大将の小さな呟く声が聞こえた


「っ」


それを聞いたとたん胸が締め付けられた


_...十六夜様、早く帰ってきてくれよ



あなたの大切な旦那が苦しんでるぜ




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