百鬼夜行と暴走族 壱
「十六夜様。あれ、そいつは?」
『さっき出逢ってね。十史郎、手当てをお願いしてもいい?』
「分かった…大丈夫かよ」
十史郎、と呼ばれた男は痛々しい俺の格好を見て顔をしかめながら俺をそっと受け取った
「十六夜様って...」
「あれ、お前知らねぇの?あの方はここの大将だぜ」
...俺はとんでもないひとについて来てしまったらしい
「え、えぇぇーーっ」
その瞬間
ドッと笑いが起こった。俺みたいに人型の妖怪も居れば獣妖怪などたくさんの妖怪の、たくさんの笑顔…化け物が笑えば怖いが気持ち悪いなんて思わない
「十六夜様。俺、こいつ気に入ったぜ」
『でしょ。お願いされたし可愛
いかったから思わず連れて来たの』
嬉しい、俺がずっと求めていた温かい居場所はここにあった。
「おい、名前は?」
『そういえば忘れてた。何て言うの?』
「...十夜です」
「そうか。じゃあ、これからよろしくな」
_...これが十六夜様、そして百鬼夜行との出逢い。